研究者情報

鈴木 悠平

准教授

SUZUKI Yuhei

数学部門 数学分野

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研究分野作用素環論
キーワードC*環, 位相力学系, 離散群

研究紹介

C*環論は無限次元・非可換の構造を理解するための枠組みを提供する体系です。
C*環はこのような(例えば群、位相力学系、距離空間などの)構造を調べる際に、しばしば自然な形で現れ、理解を深め、解明するために本質的な役割を担う強力な道具でもあります。
私自身はこういった応用よりは、むしろこのような構成法を使って、C*環論の新しい知見や現象を開拓することに興味があり、これまで取り組んできました。
ごく最近は、従順作用というものの、本質的な非可換化に成功し、この新しい数学現象がどのくらい豊かであるか、現在も掘り下げて研究に取り組んでいます。

代表的な研究業績

鈴木悠平,Almost finiteness for general etale groupoids and its applications to stable rank of crossed products, Int. Math. Res. Not., 2020 (2020), 6007--6041
鈴木悠平,Minimal ambient nuclear C*-algebras, Adv. Math. 304 (2017), 421--433.
鈴木悠平, Equivariant O_2-absorption theorem for exact groups, Compos. Math., (accepted) arXiv:2004.09461
鈴木悠平, (With N. Ozawa) On characterizations of amenable C*-dynamical systems and new examples Preprint, arXiv:2011.03420
鈴木悠平, C*-simplicity has no local obstruction Preprint, arXiv:2103.10404
学位博士(数理科学)
自己紹介

北海道千歳市の出身です.学部時代は実家から北大に通学していました.大学入学以降純粋数学に興味を持ち,その魅力に導かれながら,現在に至ります.9年ぶりに教員として再びこの大学にお世話になることになるとは,卒業した当時には思いもしなかったことです.現在の研究対象としては,無限次元の数学構造を理解することに興味があります.「従順性」は,有限と無限のズレを補正してくれる,重要なキーワードです.

所属学会日本数学会
居室理学部3号館 3-516

数学部門 数学分野

鈴木 悠平

准教授

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いま没頭している研究テーマは何ですか?

この7年くらいは違ったテーマにも時々手を出しつつ、非可換従順作用という、無限次元の特別な対称性について研究しています。これは私自身がこれまで埋もれていた重要性を発見し、発展させてきたテーマなので、思い入れも強いです。

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尊敬する研究者は誰ですか?理由も教えてください。

色々なタイプの優れた研究者がいると思いますが、個人的には既存の研究を広く理解していたり改良や融合が得意な「頭の良い研究者」より、オリジナリティが高かったり先見性がある、その人以外にはできないであろうことをやってきた研究者を尊敬します。最近ではC*環(シースターかん)の分類理論を開拓し、半世紀近く主導的立場であり続けているトロント大学のGeorge Elliott教授が、自身の研究テーマと近くなってきたこともあり、偉大だな、と実感しています。

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研究に⾏詰まったらどんなことをしますか?

散歩、昔読んだ論文をじっくり読み返す、数学以外の本を読む、よく寝る、くらいでしょうか。出張したりビジターを招いたりして、自分の研究内容を紹介したり人の研究発表を聞いたり雑談したりすることも大切だと思います。

海外で研究発表する様子。